公害問題の場合は加害者と被害者が特定されているが、地球環境問題の場合は一人ひとりが加害者であり、被害者であるという点である。
たとえば、地球温暖化の場合、温暖化の大きな要因といわれている00園の排出についていえば、すべての事業者や家庭、個人が何らかの形で00画を排出している。
もちろん、排出量は大小さまざまであり、火力発電所が排出する、○画の量は相当大きい。
しかし、一個人がマイカーを運転するときにも、00画を出している。
一人ひとりの出すCO2の量はごくわずかであっても、その人数が大きくなれば非常に大きな影響を及ぼす。
そういう意味で地球環境問題の加害者はわれわれ全員なのである。
地球環境問題の被害者は誰だろうか。
いうまでもなく地球に住むわれわれ全員である。
温暖化によって気候変動起き、またその結果自然災害が多発したり、農産物の生産高に影響が出たりすれば、われわれ全員が被害を起こし、また受けることになる。
「国破れて山河あり城河(地球)なくしては人も企業も国もなし」魚参加で取り組まなければならない理由がある。
かの違いをもっている。
このように、地球環境問題は公害問題とは性格が異なり、広範で奥行きの深い問題である。
そして、いま地球機的状況にある。
「国破れて山河あり城春にして草木深し」(杜甫)は昔のよき時代のことであり、いまや「山(地球)なくしては人も企業も国もなし」の状態に入りつつある。
ここに、地球環境問題の解決に私たちが全員日本の企業は、苦い教訓を活かし、公害防止のための投資を積極的に行い、公害防止技術を発展させ、公害問題を克服しながら経済も発展させる努力を懸命に行った。
しかし、地球環境問題となると、公害問題とはいくつ環境問題にまじめに取り組んでいるメーカーの製品を購入しよう、また環境問題にまじめに取り組んでいるスーパーやデパートから商品を購入しようという「グリーンコンシューマー」(すなわち賢明な消費者)が確実に増えいま、自動車業界においては「環境」がキーワードである。
ちょっと前まではキーワードはエァバッグなどに代表される「安全」であった。
しかし、どのメーカーも燃費効率のよい、環境にやさしい車の開発にしのぎを削っている。
そしていかに環境に配慮した車であるかを社会に向かって盛んにアピールするとともに、リサイクル等他の分野でも積極的に取組みを推進している。
かつて1970年代、日本の自動車メーカーは、米国のマスキー法をきっかけとする自動車排気ガスに対する厳しい規制に直面した。
この規制をクリアするために日本の自動車メーカーは相当の経営資源を投入し技術開発を進めた。
開発に成功した日本メーカーは結果的に強い国際競争力をつけた。
自動車メーカーによる環境への対応の努力は排気ガス規制の経験も大いに活かされていることと思うが、一方で、環境問題に目覚めた消費者の存在を無視できなくなった現実も示している。
環境問題への積極的な取組みは企業としての使命感と市場の変化への積極的な対応である。
インターネットに代表される情報通信手段の発達は、一人ひとりの市民が世界の各地で起こっている事象を知ることができ、その気になれば自分の意見を公に発表できる場を飛躍的に増加させた。
これは「参加革命」と呼ばれている。
そして、市民レベルの草の根の意見が大きなマーケットフォース(市場の力)になりうるのである。
また、日本経済新聞が実施している企業の多角的評価システム「日経プリズム」では、31世紀に向けての優れた企業ランキングを毎年発表している。
その際、企業評価の基準として、従来からある収益性や成長性に加えて、投資家や消費者などへの情報公開や社会貢献、環境保全への取組みなどが重要な評価項目になっている。
ここにも、企業が対応を迫られているグリーンコンシューマリズムの高まりという社会の大きな潮流を感じる。
経団連の自主行動計画経団連には「経済の発展」と「環境の保全」という二つの使命がある。
それはあたかも右手に利剣を持って煩悩、悪魔を払い、左手の絹索でいきとしいけるもの(衆生)を救う「不動明王」のごときもので、私はこの経団連の二つの使命について「経団連不動明王説」といっている。
経団連の「地球環境憲章」については冒頭に触れたが、経団連は環境問題への具体的取組象を促すために1996年「経団連環境アピール」を発表し、各業種ごとに自主的行動計画を策定することを求めた。
その結果、現在36の業種において環境問題について何らかの計画が策定され、実行に移されている。
このアピールのキーワードは「環境倫理」「環境効率性(厚。
‐両霞。
雪Q)」「自主的取組み」の3つであるが、特に二番目の「環境効率性」は企業にとって大変大事なコンセプトである。
このECOは文字通りエコロジーのECOであると同時に、エコノミックのECOでもある。
商品やサービスの付加価値を増すとともに、環境負荷の減少に努め、資源の有効活用を目指す新しい経営概念であり、この具現化の努力が企業に期待されている。
1991年、国際商業会議所(ICC)は「持続可能な開発のための産業界憲章」を制定し、産業界自ら環境管理に取り組むことをアピールした。
また、1992年の「地球サミット」開催に向けて、世界の経済人の集まりである「持続可能な開発のための経済人会議」(BCSD)は環境管理に関する国際標準規格づくりを提言した。
このような動きを受けて、国際標準化機構(ISO)は「環境保全に取り組み、環境負荷を低減させ、持続的に発展できる径済社会をつくる一ための「ツール」として、1996年9月に環境マネジメントシステムの国際標準規できる経済社会をつくる」ための「ISO14001」を発行した。
環境マネジメントシステムとは、各企業における環境管理を、方針・計画・目標の設定・実践・見直し・改善というプロセスに乗せて行う手法で、経営管理手法の一つである。
企業はこの「ISO14001」の認証を取得することによって、自社が環境に対して与えている負荷をシステム的に減少させていることを客観的に実証できる。
ヨーロッパにおいては企業が取引を行う際、取引先等に「ISO14001」の認証取得を求めている企業もある。
日本の輸出企業は取引条件として環境ISOの取得を求められることになる。
環境ISOがグリーン・ハスポートと呼ばれる所以である。
また、日本においても一部の企業においては取引先の部品メーカーや運送会社に対して「ISO14001」の認証取得を促す動きも出はじめている。
現在、日本における本規格の認証取得件数は4百件近くに上っているが、このような動きを受け、認証取得の波は大企業のみならず中堅・中小企業にも広がり、飛躍的に増大する可能性もある。
この環境ISO規格が広く普及すれば、環境問題における企業の取組みは環境負荷の低減という側面については大きく前進することになる。
また、環境マネジメントシステムの取組みは製造業や輸出関連企業に限られたものではない。
金融機関などの非製造業や、学校や病院、役所などあらゆる組織が自らの責務として取り組むべきものであり、その広がりを期待したい。
企業と環境問題後藤康男欧米のNGOと日本のNGOは、発展展途上」である。
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